表面硬化処理
焼入れ
金属を高温に加熱した状態から急冷させて組織を変える熱処理です。 これにより金属を硬化させることができます。
○主な焼入れの種類:全体焼入れ(ズブ焼入れ)、浸炭焼入れ、真空焼入れ、真空浸炭焼入れ、窒化焼入れ、高周波焼入れ、ソルト焼入れ
○硬さ試験法は、ブリネル硬さ、ビッカース硬さ、ロックウェル硬さ、ショア硬さなど。
○浸炭焼入れは、クロムモリブデン鋼(SCM415、SCM420)や炭素の少ない鋼(S15C、S25C)などに施し、浸炭焼入れには固体浸炭、液体浸炭、ガス浸炭の3種類があり、ガス浸炭焼入れには、真空浸炭、プラズマ(イオン)浸炭、滴注式浸炭があります。
○目的に合わせて、素材の微細な組織を加熱・冷却により焼き戻し、焼なまし(焼鈍)、焼きならしをすることあります。
○窒化処理の種類:ガス窒化、プラズマ窒化(イオン窒化)、ラジカル窒化、塩浴窒化、ガス軟窒化、塩浴軟窒化(タフトライド、イソナイト)、ガス浸硫窒化、塩浴浸硫窒化、エジソンハード処理、カナック処理など。
窒化処理
金属に表面から拡散侵入した窒素を浸み込ませ、様々な金属元素と化合し、その表面を硬くする処理です。
○窒化処理の種類:ガス窒化、プラズマ窒化(イオン窒化)、ラジカル窒化、塩浴窒化、ガス軟窒化、塩浴軟窒化(タフトライド、イソナイト)、ガス浸硫窒化、塩浴浸硫窒化、エジソンハード処理、カナック処理など。
その他の表面硬化処理
ブルーイング、TD処理、ボロナイジング(ほう化処理)、シリコナイジングなど。
非金属皮膜処理
塗装処理
コンテンツ塗装と同じ
ライニングとコーティング処理
一般的にライニングとは、1mm以上の被膜厚みのものをいい、コーティングは1mm未満の被膜厚みのものをいいます。
塗膜は、ゴム、フッ素樹脂(PTFE、PFA、FEP、ETFE、PVDF、PCTFE、ECTFEなど)、PPS、ポリエチレン、ナイロン、エポキシ、塩ビ(PVC)、ポリエステル、エポキシポリエステル、セラミック、DLCなどがあります。
○処理方法:溶射、焼付、塗覆装、クラッド、浸漬、静電、など。
※溶射とは、コーティング材料(金属やセラミックス、サーメットなど)を、様々な熱源を用いて加熱により溶融もしくは軟化させ、微粒子状にして基材表面に噴射し、材料を凝固・堆積させることにより機能皮膜を形成するコーティング技術です。溶射方式には、フレーム溶射、高速フレーム溶射、アーク溶射、プラズマ溶射、などがあります。
その他の非金属皮膜処理
ダクロタイズド、金属印刷 など。
金属皮膜処理
電気メッキ
導通性のある表面に外部電源を用いてメッキする金属等を電気分解による析出を利用して金属薄膜で被覆する技術です。
○金メッキ、銀メッキ、白金メッキ、銅メッキ
○亜鉛メッキ:6価有色クロメート、6価黒色クロメート、光沢クロメート、ユニクロメッキ、3価クロムメッキ、6価クロムメッキ
○クロムめっき:光沢ニッケル-クロムメッキ(装飾クロムめっき)、半光沢ニッケル−クロムメッキ(白上げ)、黒クロムメッキ、硬質クロムメッキ(フラッシュメッキ)
○すずメッキ:光沢スズメッキ、無光沢スズメッキ
○ニッケルメッキ、黒ニッケルメッキ
○合金メッキ:スズ・コバルト合金メッキ、ニッケル・スズコバルト合金メッキ
無電解メッキ
無電解メッキは、溶液中の還元剤の働きで金属イオンを還元析出させる成膜技術です。
無電解ニッケルメッキ(カニゼンメッキ)、PTFE複合無電解ニッケルメッキなど。
溶融メッキ
溶融亜鉛メッキ(どぶ付け)は、高温で溶かした亜鉛に鋼材を浸し、表面に亜鉛の合金層を形成する技術です。
気相メッキ
物理蒸着(PVD)、真空蒸着、化学蒸着(CVD)など