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ステンレス 溶接焼け(スケール)

ステンレス 溶接焼け(スケール)

2016年07月11日

  • 焼け取り前

    焼け取り前

  • 焼け取り後

    焼け取り後

溶接焼け
今回は溶接焼けについて勉強します。
ステンレスで溶接をすると表面が赤茶けたように焼けます。
溶接時の温度と雰囲気によって焼け(スケール)が発生します。

ステンレス鋼は身近な金属材料です。
ステンレス鋼は金属組成により5つに分類されます。

 マルテンサイト系ステンレス鋼
 フェライト系ステンレス鋼
 オーステナイト系ステンレス鋼
 オーステナイト・フェライト二相ステンレス鋼
 析出硬化ステンレス鋼

オーステナイト系:SUS201、SUS202、SUS301、SUS302、SUS303、SUS304、SUS305、SUS316、SUS317
オーステナイト・フェライト系:SUS329J1
マルテンサイト系:403、420
フェライト系:405、430、430LX
マルテンサイト析出硬化型:SUS630

他にもたくさんあります。
ステンレスは錆びない金属として知られていますが、フェライト系は磁石につきますし、錆びたりします。
錆びない理由はクロム:Crが酸化されて不動態を形成し、それが皮膜となっているからです。
鉄は酸素と結びついて赤い錆び(Fe2O3)になります。その錆びを防止するためにニッケルやクロムを混ぜています。酸には硫酸、硝酸、塩酸があります。酸化力を持つ酸は硝酸で、クロムは硝酸のような酸には強いですが、塩酸や硫酸には弱いです。そこでニッケルを加えています。強度も変わり、強く、硬くなります。
代表的なステンレス鋼のSUS304にはニッケル:Ni(8%)、クロム:Cr(18%)が含まれ18-8ステンレスとも言われています。いずれも鉄:Feを主とした合金で、目的に応じてニッケル:Ni、クロム:Cr、マンガン:Mn、窒素:N、モリブデン:Mo、アルミニウム:Al、炭素:C、銅:Cu、ニオブ:Nbなどを混ぜて合金を作ります。

SUS304を材料にした製缶ものがあります。溶接で接合しています。溶接後は焼け(スケール)があるのできれいに取り除く必要があります。ステンレス鋼は錆びないと思っていても、このスケールがあると錆びの不具合が出ることになります。溶接時は金属を溶かして接合しているので高温になっています。空気中で金属が溶けているので当然酸化されることになります。ステンレスは「もらい錆び」に弱く、そのような状態のままにしているとどんどん錆びて強度も落ちてしまいます。だから、「焼け取り」できれいにしないといけません。また、ステンレスの不動態皮膜は薄いのでむやみにこすったりして傷をつけてしまっては品質を低下させるような悪影響を与えます。

焼け取りは電気で行います。環境対応のため硝酸や弗酸は使わないようになっています。
要するに焼け取りは、ステンレス鋼のクロムを不動態に変えている作業です。
水に溶かした硝酸塩などを使い、直流の電極を当てることで硝酸イオンでの不動態化、陽極酸化を行っています。
焼け取りは、見た目をきれいにするだけではないのでした。

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