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ものづくりブログ
ものづくり デザイン
2017年04月07日
ものづくりにおける「デザイン」とは何か
「デザイン」と聞くと、みなさんはどのような作業をイメージするでしょうか。
おそらくほとんどの人が、デザインとは色や形などの見た目を決めることであると思うことでしょう。
しかし、デザインというのはもう少し広い概念を指すものです。
そのいい例が、iPhoneです。従来、携帯電話やスマートフォンはまず機能が重視され、その付加価値としておしゃれな色や
形などの「デザイン」があると思われてきました。
しかし、iPhoneは違います。iPhoneは、色や形そのものは非常にシンプルです。しかし、アプリやシステムなども含め「こう使ってほしい」
「こういう人に使ってほしい」というコンセプトやビジョンを叶えるようにトータルに考えて作られています。
このように、見た目以外の機能や使用場面なども考えて、どんな人に使われるどんな製品でありたいかをトータルに考えることもまた、
「デザイン」なのです。
今ものづくりの場に求められているのは、製品のありかたをトータルに考えた「デザイン」なのではないでしょうか。
特に工業製品においては、機能や性能についてはもうそれほど劇的な差はなくなってきています。
そんな中、他者製品と差別化するためにはデザインで差をつけるしかありません。
しかし、色や形状などの見た目の違いだけで差別化するのにもやはり限界があります。
だからこそ、「こういうものを作りたい」というビジョンを持ち、それをデザインで具体化させることが重要なのだと私は思います。
たとえば、先日、あるボディバッグを見ました。そのボディバッグはしずくのような不思議な形をしています。
なぜそんな形をしているのかというと、その形にすることで、バッグをより体にフィットさせて軽く背負えるようにするためなんですね。
このボディバッグを考えた人は、通常のボディバッグでは首や肩に負担がかかるのをなんとかしたいと思ったそうです。
そこで、バッグデザイナーや医師、カイロプラクティカーと相談して、体に負担がかかりにくい、楽に背負えるボディバッグを考えたのだそうです。
このように、まずは「こんなモノを作りたい」「こんなモノが欲しい」という気持ちがあって、そこから機能や形状などをデザインしていく。
これからのものづくりのデザインは、こういうものになっていくのではないでしょうか。
そうなると、私たちものづくりに携わる者たちも、漠然とモノを作っているだけではいけません。日々、ものづくりをしながら、
どんなモノがあればいいか、どんなモノが欲しいのかも考え、アイデアを出し、デザインを考えていくことが必要なのでしょう。
大変といえば大変ですが、非常に面白い時代がやってくるように思います。