ものづくりブログ
加工・組立はものづくり企業の基本!

加工・組立はものづくり企業の基本!

2017年01月13日

機械の製作過程は、大きく、「設計」「部品加工」「組立」の3つの段階にわけることができます。

ものづくり市場はこの3つすべての段階に関わる仕事を行っていますが、最近特に多いのが「部品加工」から「組立」のプロセスをご依頼いただくこと。

3つのプロセスの中でも、加工・組立は特にものづくりの根幹である仕事。そこをご依頼いただけるということは、ものづくりの企業として非常にうれしく、ものづくり企業冥利に尽きるといっていいでしょう。

とはいえ、うれしい、ものづくり企業冥利に尽きるとだけですまないのが、昨今のものづくりをめぐる状況の厳しさです。

スマイルカーブという言葉があります。

これは、ちょうど微笑んだときの唇の形のように、両方が上がって中央部分が下がっている形を描いたカーブのこと。

特にビジネス用語では、IT産業やものづくりの分野に関する粗利を示すカーブとして使われています。

ものづくりの分野を例にしてもう少し詳しく説明すると、最初の工程、

つまり「設計」の部分は粗利が大きくなる傾向があります。

知的生産が占める部分が大きく、知的財産を持っていたりするケースですね。

日本にも、たとえば社会的にはそれほど有名ではないけれども、特殊な部品の開発に成功し、

それに特化することで利益を上げている会社は少なくありません。

これが、スマイルカーブの片方の端です。


もう片方の端はというと、これは「流通」です。

(ものづくりとはやや離れますが、作ったものを最終的にユーザーに届けるという意味からここに含めます)

家電量販店などがこれにあたるでしょう。

では、スマイルカーブの中央部分の、カーブが下がった、つまり収益が比較的少ない部分はどこにあたるのでしょうか。

そうです、部品加工から組立の部分です。

この工程は、現在非常に収益化が難しいといわれています。

だからこそ、各メーカーは少しでも収益をあげるため、

より低コストで加工や組立ができる国へとどんどん工場を移転させています。

そんな中、生産コストが比較的高い日本にとどまり加工・組立を行うのは、

けっして簡単なことではありません。

しかし、日本でものづくりをしていると思うのですが、日本のものづくりの職人層というのは非常に厚いんですね。

そして、ひとりひとりのレベルも高い。

部品加工・組立は、たしかに収益的にはいろいろ工夫や努力をしなければいけない工程です。

しかし同時に、ここはものづくりの本質の工程でもあります。

ということは、やはり収益化が難しいからと安易に低コストを求めるよりも、

こつこつと地道に実績を積み上げていくことに集中するほうが、ものづくり企業としては

よりよい姿なのではないだろうか、と思うわけです。

金属加工において収益についてもしっかり意識しつつ、その先にある、ものづくり企業としてのありかたまで視野に入れて、

部品加工・組立の工程に取り組んでいきたいと考えています。

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