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【ものづくり】半導体⑤:半導体製造装置

【ものづくり】半導体⑤:半導体製造装置

2023年09月10日

半導体製造装置とは、その名の通り半導体を製造するために用いられる装置です。
ただし、半導体の製造工程はとても複雑で、様々な装置を使用し、多くの工程を経て完成されます。
それぞれの工程で使用される装置の総称として「半導体製造装置」と呼ばれています。
半導体の製造工程と、その際に用いられる主な製造装置をご紹介します。

半導体の製造工程は、前工程と後工程に区別されます。

●前工程=シリコンウェハー上にチップを作りこむまでの工程

①回路設計工程
  1)回路設計・パターン設計 (使用する装置:半導体設計用装置)
    小さなチップの中に、どのような回路をいかに効率よく配置するか等、
    回路図を作り検討を重ねる。

  2)フォトマスク作成 (使用する装置:マスクレチクル用製造装置)
     ※レチクル=「原版」
    シリコンウェハーの表面に回路のパターンを焼き付けるためのフォトマスクを作成する。

②シリコンウェハー作成工程
  1)シリコンウェハー作成 (使用する装置:シリコンウェハー製造装置)
    シリコンの原材料の珪石を加工し、単結晶棒(インゴット)を作成し、
    それを所定の暑さにスライスしたものを
    鏡面に仕上げて完成させる。

  2)フォトレジスト塗布 (使用する装置:スピンコータ、スピンナー)
    フォトレジストと呼ばれる感光剤をシリコンウェハーの表面に塗布する。

③フォトリソグラフィ (使用する装置:露光装置(ステッパー、アライナー)
  ②で完成させたシリコンウェハー上に、①で設計した回路を転写する。

④エッチング (使用する装置:エッチング装置)
  エッチングにより部分的に酸化膜を除去し、その後不要なレジストを取り除く。
  この酸化膜のないシリコン部分だけが半導体になる。

⑤成膜 (使用する装置:熱酸化装置、CVD、スパッタリングなど)
  LSI(大規模集積回路)は、シリコンウェハーを含む半導体膜、電気を流すための配線膜、
  配線同士を絶縁するための絶縁膜によってできている。
  これらの配線膜や絶縁膜を形成する工程が成膜と呼ばれている。
  成膜の方法は、原材料やプロセスによって異なる。
  
⑥イオン注入 (使用する装置:イオン注入装置)
  シリコンウェハーに不純物イオン(リン・ボロンなど)を注入し、半導体を形成する。

⑦平坦化 (使用する装置:CMP装置)
  シリコンウェハー表面を研磨して平坦にする。


●後工程=シリコンウェハー上に作られた半導体チップを細かく切り出して、チップを完成させるまでの工程

①組み立て
  1)シリコンウェハーのダイシング (使用する装置:ウェハダイシングマシン)
    シリコンウェハーをチップに切断

  2)チップのマウンティング (使用する装置:表面実装機、チップマウンター)
    カットしたチップをリードフレーム上の所定の位置に固定

  3)ワイヤーボンディング (使用する装置:ワイヤーボンダー)
    チップとリードフレームをボンディングワイヤーで配線し接合

  4)モールド (使用する装置:モールディング装置)
    セラミックや樹脂パッケージに全体を封入しガードする

  5)トリムアンドフォーム(脚切り成型) (使用する装置:トリムアンドモールド装置)
    金型でリードフレームを切断し、外部リードを所定の形状に成型する

②各種試験
  各種試験は、製造工程における各段階において実施されている。

③マーキング
  完成したチップに製品名などをレーザーマーキングにより印字。

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