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ものづくりのサポートのお手本は「悉皆屋」
2016年12月13日
(タイトル)
ものづくりのサポートのお手本は「悉皆屋」
(本文)
京都にいると、華やかな着物を着た観光客からシックな着物を着こなす地元の方まで、
老若男女さまざまな着物姿の方を見かけます。
最近は、洗える素材でできた着物も多いのですが、かつては着物といえば、生地から仕立て、
加工にいたるまで実に多くの職人が関わって作り上げるものでした。そのため、当然職人たちを取りまとめ、
サポートし、コーディネートする立場の人が必要でした。
そのコーディネーターが、「悉皆屋(しっかいや)」と呼ばれる人々です。
現在「悉皆屋」と言えば、着物のシミ抜きや洗い張り(着物を一旦すべてほどいて洗うこと)、染め替え、
仕立直しなどを行う職人です。しかし昔は、悉皆屋は、着物に関わる職人をまとめ、コーディネートし、
時には金銭的なサポートも行っていました。
つまり、悉皆屋は、職人にしてみれば「こことつながっておけば、仕事や仕事に役立つ情報はもちろん、
お金の面でもサポートしてもらえる」という頼れる存在だったわけです。
そして、そういう存在だったからこそ、消費者側も「着物の悩みや相談ごとがあれば、ここに行けば、
しかるべき職人さんがちゃんと解決してくれる」と悉皆屋を信頼し、なにかあれば相談していたわけです。
着物にかぎらず、ものづくりの世界においては悉皆屋のようなサポーター的な存在は欠かせません。
現代においても、たとえばオンラインサービスのDMMではDMM.makerというものづくりに関わる人が
自分の技術や情報を発信するためのサービスを行い、インターネット経由で職人と消費者をつなげようとしています。
また、各自治体では、ものづくりフェアなどを定期的に開催して、ものづくり企業が情報発信や商談を行える場を作り、
サポートを行っています。
しかし、基本的にこのようなサポートは、あくまで情報発信の場の提供にとどまっているのでは、
と私たちは考えています。
そこで、ものづくり市場が目指すのは、職人をまとめてコーディネートしていた悉皆屋のような、より幅広いサポート。
ものづくり企業や職人をつなげるのはもちろん、部品加工や生産設備製作までをちゃんとサポートし、
発注者・受注者ともに満足いただけるような結果を出し、信頼していただけること。
これが、ものづくり市場の目指すものづくりサポートです。