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【ものづくり】産業用ガス

【ものづくり】産業用ガス

2023年08月05日

IT化が進む半面、昔ながらの技術・エネルギーが脈々と使われ続けている分野も多くあります。
今回は、その一つである産業用ガスについてご紹介いたします。

産業分野において、酸素ガスやアセチレンガス、アルゴンガス、窒素ガスなどの産業用ガスが
様々な用途で使用されています。
例えば、金属加工分野において、ガスは、熱処理、レーザーカット等の切断、溶接などの工程において使用されます。

産業用ガスには以下のような種類のものがあります。

●酸素ガス
 ・燃焼効率を上げる
 ・溶断加工では、金属を加熱した後、酸化反応により切断する際に使用される

●アセチレンガス
 ・高温で燃焼するため、燃焼効率が高い
 ・溶接、溶断加工に適している

●アルゴンガス
 ・空気よりも熱伝導率が低いため、断熱性能が高い
 ・炭酸ガスよりも高品位な溶接、溶断加工に使用される

●炭酸ガス
 ・主に飲料や冷却用途で使用される
 ・アーク溶接時には、加工部の酸化防止のためのシールドガスとして使用される

●窒素ガス
 ・不燃性、爆発しない、科学的に安定しているなどの特徴から、ガス管やガスボンベの残留ガスの
  パージ(押し出す・置換する)に使用される
 ・酸化による品質劣化を防止する目的で使用される(半導体、液晶、食品分野など)

一般的には、ガスはガスボンベと呼ばれる容器に充填されますが、ガス業界内では「ガス容器」や
「シリンダー」と呼ばれています。

ガス容器の色は、ガスによって決められ、区別されています。
黒:酸素
赤:水素
グレー:窒素、アルゴン

ガス使用量の大きな現場では、20本や30本の容器を枠でまとめ、ガス取り出し口を一つにつなげた形で
使用されています。
これは、カードルと呼ばれ、1基、2基と数えられます。

また、ガスの容量はm3で表されますが、これは業界内では、立法メートルではなく、りゅうべい(立米)と
呼ばれています。
建築関連で、部屋の大きさをあらわすときに、m2を平方メートルではなく、へいべい(平米)と呼ぶのと同様
ガス業界内では、昔からの言い方が引き継がれています。

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