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【ものづくり】ステンレスとアルミニウム:アルミニウムの種類⑤

【ものづくり】ステンレスとアルミニウム:アルミニウムの種類⑤

2023年07月06日

アルミニウム合金のうち純度99.0%以上のものが、純アルミニウム、様々な元素を添加して合金としたものが
アルミ合金と呼ばれています。

純アルミニウムは強度が低いため、用途などに合わせて、その機能向上を図るため、他の金属を添加して合金にします。
アルミ合金は、最終製品の様々な要求や用途に必要な性質によって、板、形、棒、線、鍛造品に加工する「展伸用合金」と、
鋳物、ダイカストなど向けの「鋳物用合金」に大別されます。
また「非熱処理合金」、「熱処理合金」として分類されることもあります。

<展伸用合金>

●A1050:純アルミニウム系
 強度は低いが加工性・耐食性に優れる
 ◎用途:装飾品や送電線など

●A2017:ジュラルミン(アルミ+銅)
 耐食性は低いが高い強度が得られる
 ◎用途:航空機や自動車、機械部品など

●A2024:超ジュラルミン(アルミ+銅)
 A2017よりも高い強度。
 ◎用途:航空機など

●A5052:最も流通量の多いアルミニウム合金(アルミ+マグネシウム)
 耐食性・加工性・溶接性に優れる
 ◎用途:フレーム材や板金部品など

●A6061:アルミニウム合金(アルミ+マグネシウム+ケイ素)
 耐食性に優れる
 T6処理という熱処理によって、さらに高い耐食性を持たせることが可能

●A6063:アルミニウム合金(アルミ+マグネシウム+ケイ素)
 耐食性、表面処理性に優れる
 ◎用途:アルミサッシや電材など

●A7075:超々ジュラルミン(アルミ+亜鉛+マグネシウム)
 アルミニウム合金中最大の強度を持つ
 ◎用途:航空機用材料の代表格

<鋳物用合金>

●AC2B
 鋳造性に優れ一般的なアルミニウム鋳造合金として使用される
 ◎用途:エンジンのシリンダヘッドやバルブボディなど

●AC4C
 鋳造性に加え耐食性、機械的性質にも優れる
 ◎用途:ミッションケースやコンプレッサケーシングなど

●ACD10
 鋳造性・切削性・機械的性質に優れる、ダイカストに適した材料
 ◎用途:エンジンのシリンダブロックなど

アルミニウムの強度を高めるため合金にすることで耐食性が低下するため、
アルマイト処理と呼ばれる表面処理を施します。
これにより、耐食性、耐摩耗性の向上、絶縁、熱伝導率を下げる、などの効果が得られます。

目的に応じて様々な材料の選択肢のあるアルミニウムですが、その特徴を理解し、
最適な材料を選択することが重要です。

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