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【ものづくり】 ステンレスとアルミニウム:ステンレス②

【ものづくり】 ステンレスとアルミニウム:ステンレス②

2023年05月31日

ステンレスとは、主に鉄にクロムやニッケルなどの元素を添加した合金です。

ステンレスは、鉄を主成分とした金属で、炭素含有量1.2%以下、クロム含有量10.5%以上の鋼です。
英語名の「Stainless steel」からも分かるように、stainless(錆びない)金属として知られています。

ステンレスは、その耐食性や強度などの特性から、様々な用途で利用されます。
工業製品の他、住居用建物においてもキッチン流し台、バルコニー、手すり等の材料に使われいます。

ステンレスの商業的な成功は、1913年にイギリスの冶金学者ハリー・ブライトがステンレスの特性を
再発見し、改良したことからと言われています。
ブライトはステンレスの耐食性を向上させるために、クロムの含有量を増やすなどの改良を行いました。

鉄が主成分であるのに、なぜステンレスは錆びにくいのでしょうか。

それは、ステンレスに含有されているクロムが、主成分である鉄より先に酸化し、
1nm(ナノメートル)ほどの薄い保護皮膜(不動態被膜)を形成して、鋼の表面を覆うこと
で、鉄が酸化することを防ぐからなのです。

もっとも、表面に深く傷がついたり、クラックが入ったりすると、その傷の部分から
酸化が始まり錆びてしまうこともあります。
また、ステンレスは再生可能であるため、エコ材料としても知られています。


ステンレスには、ニッケルを含むものと含まないものがありますが、
ニッケルが加えられることで、耐食性が増し、より錆に強いステンレス鋼となるのです。

一般的なステンレスは、ニッケルを加えてあるため磁石につきません(非磁性)。
鉄とクロムの合金のステンレスは磁石につきます(磁性)。


ステンレス鋼はSUS(Steel use stainless)と表記され、その種類によって SUS+数字で
区別されています。
次回は、このステンレス鋼の種類についてご紹介いたします。

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