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【ものづくり】樹脂の基礎知識:熱硬化性樹脂
2023年06月06日
熱硬化性樹脂は、熱によって硬化する合成樹脂です。
加熱によって化学反応が進行し、高分子化合物を形成するため、
一度硬化すると加熱によって再軟化することはできません。
通常、樹脂モノマーと呼ばれる液体や固体に硬化剤を添加し、化合物を熱硬化し、冷却・固化することによって
作られています。
また、スーパーエンジニアリングプラスチックに属する高機能な熱硬化性樹脂材料はは、通常パウダー状の樹脂材料に
熱と圧力をかけ、圧縮成形によって製造されます。
一般に熱硬化樹脂は二種類の構造を持っています。
一つは網目構造、もう一つは直鎖構造です。
網目構造は、高分子チェーンが複数の架橋反応によって網目状に連結した構造で、強度や硬度が高いため、
例えば、ポリウレタン樹脂を材料とする接着剤やコーティング材料として広く使用されています。
直鎖構造は、高分子チェーンが一方向に伸びた直鎖状の構造で、強度や硬度は低いが、伸縮性や柔軟性に優れています。
例えば、フェノール樹脂、エキシボ樹脂を材料にした炭素繊維を合わせて作る成型材料やコンポジット材料などに
使用されています。
主な熱硬化性樹脂は、以下の通りです。(右は耐熱温度)
※耐熱温度=連続使用温度(テンションの掛かっていない状態での耐熱温度)
●ポリウレタン、ウレタン樹脂(PU):90~130℃
弾性体やフォーム材料、塗料などに使われます。
柔軟性や耐摩耗性に優れています。
●メラミン樹脂(MF):110~130℃
接着剤、コーティング剤、塗料、耐熱性容器などに使われます。
耐熱性、耐薬品性、耐摩耗性に優れています。
●フェノール樹脂(PF):150℃
接着剤、断熱材料、耐火材料などに使用されます。特に、高温下での強度が優れています。
●エポキシ樹脂(EP):150~200℃
接着剤やコーティング剤、成型材料などに使われます。
非常に強度が高く、耐熱性や耐薬品性にも優れています。
●アリル樹脂:270℃前後
高い耐熱性や耐化学性を持ち、航空機や自動車部品などに使用されます。
●ジアリルフタレート(PDAP):270℃前後
高い耐熱性や耐衝撃性を持ち、電子部品や航空機部品、自動車部品などの製造に使用されています。
●シリコン樹脂(SI):200℃以上条件により400℃
耐熱性、耐候性、耐薬品性、電気特性などが優れており、電気・電子部品に使用されます。
●ポリイミド樹脂(PI):250℃~
極めて高い耐熱性や耐薬品性、電気的特性、機械的特性などを持ち、幅広い用途で使用される
スーパーエンジニアリングプラスチックです。
主に、航空宇宙産業や半導体産業など、高温・高圧力下で使用される部品や電気機器の素材として
利用されています。