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【ものづくり】熱処理:サブゼロ処理
2023年05月01日
特殊熱処理であるサブゼロ処理
これまで、全体熱処理の中の一般熱処理と呼ばれる「焼き入れ」、「焼きもどし」、
「焼きなまし」、「焼きならし」をご紹介してまいりましたが、
今回は特殊熱処理に属するサブゼロ処理をご紹介いたしましょう。
サブゼロのサブとは”以下”、ゼロは0℃のことで、0℃以下での処理を意味しています。
また、別名 深冷処理 とも呼ばれ、その目的は、置狂い(時効変形・経年変化)の防止、
硬さの増加、耐摩耗性の向上です。
サブゼロ処理は焼き入れの直後、焼きもどしの前に行うものですが、置狂いを可能な限り
防止するために、サブゼロ処理⇔焼き戻し・・・、を複数回繰り返す場合もあります。
サブゼロ処理を施すと、焼き入れにより生じた残留オーステナイトが、マルテンサイトに
変化することにより硬さの増加、耐摩耗性の向上、完成品の寸法が変化する安定性の向上、
加工時のクラックに対する感受性の改善がはかれます。
残留オーステナイトは経年によって寸法が変化したり、割れや硬さ低下の原因となります。
そのため、サブゼロ処理は精密部品や金型でよく利用されています。
また、サブゼロ処理は、処理温度-130℃を境に、普通サブゼロ処置と超サブゼロ処理に
区別されます。
・普通サブゼロ処理:-100℃までの処理でドライアイスや冷媒による冷却システムを使用。
・超サブゼロ処理:-130℃以下の処理で液体窒素や低温発生器を使用。
※1 いずれも、0度以下に降温させることが重要
※2 耐摩耗性については超サブゼロ処理のほうが大幅に改善される。
※3 サブゼロ処理後は急速解凍することにより、残留応力を軽減できる。