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【ものづくり】熱処理:「焼きなまし」と「焼きならし」
2023年04月19日
「焼きなまし」と「焼きならし」は、いずれも焼き入れ(変態温度を超える高温で
素材を加熱)した後にゆっくり冷却するという行為は共通となっていますが、
その冷却方法が異なっているのが特徴です。
先日ご紹介した「焼き入れ」は、その素材の硬度を向上させるのが主な目的と
なっていましたが、「焼きなまし」と「焼きならし」については、素材を柔らかく、
結晶を均一化することで加工性を向上させることが主な目的です。
また、硬度向上の実現は素材に含まれる炭素量に大きく左右されるため、
炭素量の少ない素材に関しては「焼きなまし」や「焼きならし」が実施されるのが
一般的となっています。
「焼きなまし」
焼きなましは、焼き入れ等によって固くなりすぎた金属を軟化させたり、
残留応力の除去を主な目的として実施される熱処理で、アニール処理とも呼ばれます。
オーステナイト組織になるまで加熱した素材を、炉の中でゆっくり冷却することで、
パーライトという組織に変化し、素材が軟らかくなり、加工性を向上させるというものです。
「焼きならし」
焼きならしは、焼準(ショウジュン)とも呼ばれ、英語では「ノーマライジング
(normalizing)」と言われることからもわかる通り、素材を均一化する目的で
行われるものです。
焼きならしの冷却方法は空冷であることが、温度管理された炉の中でゆっくりと
冷却する焼きなましとの大きな違いとなっています。
空冷することで結晶粒は微細化し、それによって鋼の強靭性が向上するとともに、
残留応力(外部からの圧力や熱が素材の内部に残留する現象)が除去されると
言われています。
ただし、空冷であることで、素材の厚みや形状によって内部の冷却スピードにも
影響が出て、組織が不均衡になることも知られています。
そのため、加熱温度や冷却方法や時間を検討し、組織の均一性や微細化の程度を
確認する、といった作業が必要となる場合もあります。

