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【ものづくり】熱処理:焼き入れ

【ものづくり】熱処理:焼き入れ

2023年03月26日

「焼き入れ」は、その機械的性質の向上のため、主に鋼鉄材料おいて用いられる
熱処理の一つです。
なお、鋼は、原材料にあたる銑鉄からさらに炭素の含有率を2%以下にした鉄であり、
炭素鋼ともいわれます。
通常、鉄といわれるのは、合金である鉄鋼です。

「焼き入れ」は、通常、「焼きもどし」とセットで行われます。
「焼き入れ」した鋼は硬く脆い性質になるため、硬くて強い性質にするために
「焼き入れ」後に「焼きもどし」が行われるのが一般的です。

「焼入れ」を行う目的としては、以下のようなものがあります。

  ●鋼材の硬度を上げる
  ●ヒビ割れや破損防止
  ●摩耗性や靭性、耐久性の向上

英語で、「焼き入れ」のことを「ハードニング(hardening)」と呼ぶように、
目的の代表的なものは、材料を硬くすることです。

鉄鋼は、その性質が変化する「変態温度(一般的な鋼は約700°Cまで加熱すると
赤くなり、結晶構造や性質の変化が始まる)」と呼ばれる温度まで加熱することで、
オーステナイト(金属の結晶が大きく粗い)と言う、常温では存在しない組織に変化し、
それを水または油で急冷することによって、マルテンサイト(金属の結晶を小さく緻密)
という、炭素を過剰に含み、硬くてもろい組織に変化します。
硬度の変化は、焼入れの際に素材に含まれる炭素量などによって変わります。
炭素量が多いほど、「焼入れ」後の硬度は向上しますが、その反面、脆い素材に変化します。
そのデメリットをカバーするために、「焼き入れ」とセットで行われるのが「焼きもどし」です。

次回は、この「焼きもどし」についてご紹介いたします。

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