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【ものづくり】ミルシート-記載内容の特徴
2023年02月24日
ミルシート-記載内容の特徴
ミルシートの記載内容の特徴は、鋼材メーカー名の他に注文者名が記載されている点です。
建築分野で使用される場合には、ゼネコンなどの最終需要者名が記載されるケースもあります。
機械加工品用途の場合は、その鋼材流通における中間業者である商社名が記載されているケースが
みられます。
JIS基準による検査方法は、必要的記載内容です。
各メーカーからの出荷鋼材には製造番号(ロット№)が付与されており、
そのため万が一の際に、どのロットにリスクがあるのか、その原因について究明することを目的としています。
ミルシートの記載内容に含まれているのは製品情報で、製品情報の内訳は、
製造番号(ロット№)ごとの出荷鋼材の「JIS適合コード」・「品名」・「寸法」・「長さ」・
「本数/重量」などです。
これら製品情報を元に、製造番号(ロット№)毎の「化学成分」「機械的性質」が記載されています。
化学成分については、記載されるものとしては、炭素(C)・ケイ素(Si)・マンガン(Mn)・リン(P)
・硫黄(S)などが一般的です。
機械的性質については、その中でも特に重要である、引張試験の降伏点強度・引張り強さ、
伸びや曲げ試験の曲げ角度などが記載されます。
特に鋼材の伸びと塑性化に係わる降伏点強度は、重要な数値となっています。
例えば、建設、橋梁、機械設備の構造で一般構造用圧延鋼材や、よく使われるSS400の化学成分であれば
以下のような記載内容となります。
<化学成分>
規格 材料記号 化学成分
JIS G3101 SS400 P,≤0.05 S,≤0.05
このように、出荷される鋼材の各機械的性質の実測値がJIS規格内に収まっているという大切な証明が
ミルシートです。
なお鋼材メーカーが発行し、その材料がJIS規格適合品であることに、
責任をもって証明するものであり、有効期限はありません。また、再発行も可能です。