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【モノづくり】3Dプリンタをもっと知ろう②

【モノづくり】3Dプリンタをもっと知ろう②

2022年10月15日

3Dプリンタを知るためには、3Dプリントの際に使用される3Dデータについて知っておいていただくことがとても大切です。

3Dデータで使用される拡張子

3Dプリンタで使用される拡張子(ファイルフォーマット)は主に”STL”となっています。
現在、3D CADを始めとした様々なソフトには、ファイルフォーマットをSTLに変換する機能が搭載されています。
STLデータは小さな三角形の組み合わせ(ポリゴンデータ)により立体形状を表現します。
また、STLの向きは法線ベクトルで定義されており、簡単に言うと三角形の一つ一つに「表」と「裏」という情報が含まれています。

このファイルフォーマット変換時に誤変換が起こってしまうことで、そのままのデータでは3Dプリントできないデータになってしまうことがあります。

例えば、ソフト側が凹凸のある自由曲面データ(IGES、STEPなどなど)を三角形の寄せ集めのデータ(STL)に変換することで、データの表面に隙間が生じてしまったり、また誤変換により三角形の一部が裏返ってしまうことで、3Dプリンタに「不完全データ」と認識され、プリントアウトすることを拒否されてしまいます。

それらの誤変換等は、人が手作業で修正することは可能です。
ただし、その修正箇所は何千から何万か所に及ぶため、通常は修正用ソフトが使用されます。

3Dデータ修正用ソフト

修正用ソフトには、隙間を埋めることや、すべての面を表向きに修正することを目的とする「ラッピング」という機能が搭載されています。
このラッピング機能を使うことで、修正は短時間(データの重さによります=表面積が大きくなれば、修正に数時間を要することもあります)で実現が可能ですが、元データには0.1㎜~程度の肉厚が追加(ラッピング)されることになり、そのデータの精度は元データとは少々異なってきてしまいます。

外部に3Dプリントを依頼される場合は、この修正ソフトを保有しているか確認することで、その業者様の3Dプリントスキルも想像できると言えるのではないかと思います。

次回は具体的な3Dプリンタとそれらの使用上の注意点についてご紹介します。

(つづく・・・)

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