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鉄鋼について⑦~形~

鉄鋼について⑦~形~

2022年04月17日

◇鉄鋼の形

鉄鋼の種類について代表的な2つをご紹介しましたが、形や大きさに
ついても小さい物から大きな物まで様々です。
小さい物は家具で使われる留め具やPCやスマホに半導体といった
部品があります。そして、大きな物で言うと何度か説明の中で出て
きた建築現場や土木で使われる鋼材などになります。
さらには粉末状のものまであります。

小さい頃、砂鉄を使って磁石の原理を習ったことがある人も多い
のではないでしょうか?
こうした用途に合わせながら円柱形や鉄板、管やパイプなどに
色々と形状を変え、私たちの生活を支えてくれているのです。
しなやかさがあれば、バネとして活用され自動車やバイクなどの
サスペンションへと姿かたちを変えていきます。
また、見た目が似ていても引っ張り具合や炭素量によっても呼び名が
変わるため、種類はかなりの数となります。

砂鉄で遊びました。

◇鉄鋼と私たちの生活

歴史的にみて、9世紀頃から出雲地方を中心に砂鉄と木炭を原料として
「たたら」と呼ばれる炉で鉄が作られていました。
現在、鉄鋼が作られているのは、なんと東京ドーム150個~360個分の
面積がある製鉄所です。八幡製鉄所など聞いたことがある人は、多い
かも知れませんね。
ここでは、輸入した鉄鉱石とコークス(蒸し焼きにされた石炭)を
高炉で溶かし鉄を取り出します。そこから、電気炉などの施設で加工
しやすい鋼が作られていくのです。
さらに、日本の鉄鋼は世界でもトップレベルと言われています。
その理由は、
「強い、加工しやすい、精度が高い、割れにくい、溶接しやすい」
と言った特長があるからです。
これらの作られた鉄鋼は、主にアジアを中心として輸出されています。
その量はなんと1年間でおよそ、約3,200万トンと想像もつかない量です。
これだけの量を作っていると環境問題も懸念されそうですが、使い古
された鉄についてもリサイクルされます。

鉄のリサイクル率についても、日本は世界トップクラスです。
古い鉄でも、再度、高温の熱で溶かし不純物を取り除くことで、何度でも
同じ品質の鉄を作ることができるため、私たちの暮らしや産業を支えて
くれているのです。


(続く)

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