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鉄と鋼の違いは?⓸
2022年03月24日
◇鉄の具体的な特徴
「鋼」とは反対に炭素を含まない純粋なものを「鉄」と呼びますが、
前回説明した通り普段の生活では扱う事や見ることはほとんどないでしょう。
しかし、金属を総称するとき、「鉄」という言葉がをよく使用します。
実際、鋼を作るにも鉄が使われていますので、まったくの間違い、
とは言えなさそうですね。
繰り返しますが、純粋な鉄はとても酸化しやすい性質を持っています。
そのために脆く、力不足で製品としてはまるで使い物にならないのが
一番の特徴でしょう。
純粋な鉄ではデメリットしかありませんが、炭素やリン、マンガンなどを
加えると硬度や強度、そればかりではなく靭性や耐摩耗性、耐熱性、
耐候性などありとあらゆる特質を持つようになります。
そうすると、純粋な鉄と呼ばれるものではありませんが「合金」と
なった鉄は、活躍の幅を広げるのです。
強い合金
◇鋼の具体的な特徴
専門用語で言えば鋼は、「炭素鋼」と呼ばれるものです。
鋼は、先に説明した通り炭素などを加えた「合金」となります。
炭素以外にもリンや硫黄、マンガンと言った成分も微量に含まれて
いますが、鋼の性質を大きく左右するのは、炭素がどれだけ含まれるか
で決まるといっても過言ではありません。
炭素は鋼の強度や硬度を上げるために必要ではありますが、多くすれば
多くするほど、金属特有の粘りやしなやかさが失われていきます。
これらが失われると、一定の力を加えたとき簡単に折れてしまいます。
私たちの知る鋼はすぐに折れるということはありませんが、この粘りの
弱い鋼は曲げることができず、乾いたパスタのようにポキッと折れてしまうのです。
この理由から、ほとんどの鋼は炭素の含有量を2%以下で作られます。
また、目的や用途によっては炭素含有量が決められているものもあります。
(続く)
