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アルマイト加工について①

アルマイト加工について①

2021年11月07日

アルマイト加工とは、アルミニウムの表面に酸化アルミニウムの厚い膜を
作る加工方法のことです。アルミニウムの表面に酸化アルミニウムの膜を
作ることで、アルミニウムが腐食しにくく、摩耗しにくくなります。
そうなれば、アルミ製品はきれいなままで長く使えます。

別の言い方で、「陽極酸化処理」とも言います。

■どうやって加工するか

アルミニウムが空気に触れると表面に薄い酸化皮膜が自然にできます。
この皮膜がアルミニウムの表面を保護し、腐食を防ぐ役割を果たします。
しかし、自然に付いた皮膜は非常に薄いので、アルミニウムを使用する
環境によっては、アルミニウムを守ることができません。そこで人工的に
厚い皮膜を作って、アルミ製品を守ろうとして考えられたのがアルマイト
加工なのです。

酸化アルミニウムの膜の加工は次の手順で行われます。
まずアルミ製品を電解液と呼ばれる硫酸か蓚酸の中に入れます。
次にアルミ製品に電極を繋ぎます。そして、プラスの電気を流します。
こうすると、電気分解により、アルミニウムの表面に酸化皮膜が付くのです。
この時できた酸化被膜は、アルミニウムの表面を酸化させたものなので、
剥がれ落ちることはありません。

アルマイト加工で作られた酸化被膜処理はアルミニウムの表面(標準の面)
から上に成長皮膜、下に浸透皮膜というように上下に成長していきます
(上下に同じように成長するので、アルミニウムの表面が凸凹である場合は、
被膜も凸凹に沿って出来上がります)。
横からみると、被膜はアルミニウムに埋め込まれたような形にみえます。
ここが金属メッキと異なる点です。金属に別に金属を付着させるメッキと
呼ばれる加工方法は、付着した金属が剥がれ落ちることがあります。
メッキは、メッキされる物の上に順番に他の金属を乗せていくので、
横からみると、金属の上に別の金属が乗っている形にみえます。
アルマイト加工のように、埋め込まれてはいないので、剝がれ落ちる
ことがあるのです。

―つづくー

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