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ものづくりブログ
ものづくり ~シェアリングエコノミー⑤~
2021年06月02日
インターネットで情報をつなぐ
「製造業のシェアリングエコノミー」に取り組んでいる企業を紹介しましょう。
これはまだ自社だけの例ですが、日立製作所が各地にある工場の設備状況を
「見える化」し、それら生産設備の利用権を融通し合う「スマートマニュファク
チャリング」という事業を研究しています。
コンセプトは「モノを作りたい人・作れる人・使いたい人をつなぎ、新しい
モノが生まれやすく、小さなビジネスが大きなビジネスへと広がりやすい環境を
つくること」。工場同士のネットワークを作り、そこで各工場の生産計画や
製造条件を共有・調整できるようにするための仕組みです。
例えばある工場で起きた突発的な増産ニーズがあった場合、手の空いている
別の工場に生産を委託ができるようにする、といった具合です。生産体制を
作る時も、小規模から大量生産、その逆も、この仕組みができればスムーズに
移行できます。
この仕組みを使うためには、プラットフォームが必要になります。
各工場にある設備を登録し、検索できるようにする仕組みです。ある工場が別の
工場に業務を委託したいと思ったら、委託先候補を検索し、加工手順や精度の指示、
納期調整などを行います。そして条件が合えば、業務を委託します。
このシステムも、課題がいくつかあります。工場によって設計図の品質が異なって
いたり、製造コストが顧客によって異なっていたりということがあるからです。
どこの工場で作っても、同じ品質の製品を作らなければいけません。こうした課題を
解決するために、各工場で同じ加工方法で同じ品質の同じ製品ができるよう、各工場の
情報をデジタルに落とし込んでいるのです。
今後はこうした取り組みが一企業間だけでなく、異なる企業間でも広がっていく
ことでしょう。すでに前述の「シェアリングファクトリー」でのマッチング事例が
出てきています。例えば、3台の切断機を所有しており、4台目の購入を検討した
ものの、新品の納期が1年以上﨑なので中古機を探していたところ、「シェアリング
ファクトリー」で購入できたといったものです。
(次号につづく)