ものづくりブログ
ものづくり ~シェアリングエコノミー② ~

ものづくり ~シェアリングエコノミー② ~

2021年05月15日

製造業でも場所と人をシェア

「場所」もシェアの対象になります。
工場の空いているスペースを別の企業や個人に貸し出せば、借りる側も安い金額で
借りられますので、お互いにハッピーです。実際、創業まもないベンチャー企業が
知り合いの工場の一角に仕事を始める例は珍しくありません。昔から行われていた
この商習慣を、いまふうに言い直すとシェアリングエコノミーといえるでしょう。
貸す側は別の会社の動きを間近にみることで刺激を受けることにもなるでしょう。

「人」のシェアも需要があります。もはや副業が珍しくなくなってきました。
繁忙期だけ人手がほしい、暇な時は別のところで働いてほしい、そんな要望が多く
出てきています。
働く人にとっても、様々な職場で働くことは見聞を広める機会になるでしょう。
雇う側にとっても、違う職場で違った能力を開発してきた人がさらに活躍してくれれば、
有意義なことです。経営者は、優秀な人が自社で長く働いてもらうためにいい会社で
居続けようと努力します。

特に中小の製造業は、人手不足が続いていました。コロナ禍で状況が変わったのかと
思いきや、実はあまり変わっていません。
理由の一つは手厚い補助があるためです。コロナで最も打撃を受けた業種は飲食業と
旅行業です。これらの業種にはいくつかの補償が付いたので、一時的ですが、そこで
働いていた個人は大きな打撃を受けていない場合があるのです。

そのため、飲食業から製造業といった業種間移動をしてまで転職をする人が少ないのです。
いよいよ仕事がなくなれば製造業も選択肢に入ってくるでしょうが、飲食業と製造業とでは
求められる能力も職場環境が異なりますので、簡単には移ることができません。
まだ業種を渡り歩くまでには至っていないので、ものづくり企業間の人のシェアも需要が
減っていないのです。

(次号につづく)

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