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ものづくりブログ
AI IMPACT ~人工知能が与える衝撃~ Vol.17
2019年07月11日
【ものづくり市場 連載ブログ】
実はこの技法が伝承されているのは、京都から遠く離れた富山県南砺市井波町で、日本一の木彫りの里って呼ばれています。
驚く事に現在でも約300名位の彫刻師が住んでいるんです。
そしてこの伝統技法は井波彫刻と呼ばれています。
どんな技法かと言うと、欄間の透かし彫り彫刻の場合、材料は、二条城の檜と少し違う楠の板を利用します。
大きく分けて、下図のように四つの工程で製作していきます。
先ず第一の工程である荒落としは、墨で楠の板の上に欄間のモチーフになる下絵を描き、それに沿って大雑把にノミで輪郭を彫っていきます。
第二の工程の表の荒彫りでは、第一の工程で輪郭を彫った表側をもう少し細かく仕上げていきます。
第三の裏の荒彫りで、第二の表側と一続きになった裏側の彫りを、板をひっくり返して下に鏡を置き、表側の彫りを確認しながら仕上げていきます。
これって本当に凄い作業だと思います。
職人さんは表の下絵を描いていく時、同時に裏の彫りも思い描きながら、そして彫りながら表裏一続きの一枚の欄間を仕上げていくのですからね。
そして第四の最終工程で仕上げ彫りを行います。
読んで字の如く欄間の表裏両面の最終仕上げです。
この四つの工程の過程で、彫刻師さんは200~300種類のノミ・彫刻刀等を使い分けていくんです。
それも、自由自在にですよ。
目的や用途・材料の質感・木目・湿度等なんかも、経験則で考慮しながらでしょうね。
こんな作業はマニュアル化やデジタル化は不可能で、ましてやAIなんかには到底習得不可能な技(仕事)です。
こういった師匠から弟子へ伝承される技能が、日本の伝統工芸なんです。
~Vol.17 おわり~
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