ものづくりブログ

ものづくりの現場に見る、完全自動化への流れ

2019年06月06日

近年、ものづくりの現場では完全自動化に向けての流れが一層強まりつつあります。

たとえば、2017年には京セラがカラートナー生産のために三重県に作った玉城工場では、自動化を進めて、従来10人必要だった作業員を1人にまで減すことができたと話題になりました。


こういった話になると、しばしば「完全自動化は人から仕事を奪うのではないか」という意見が出てきます。

しかし、そうとは限らないのでは、と私は思っています。


若年層の人口が減少しているのはご存知のとおりです。

それにつれて、生産人口、つまり15歳以上65歳未満の人口もどんどん減っていきます。

つまり、平たくいうと「働ける人が減る」ということです。


その結果生じる人手不足は今や深刻な問題のひとつになっています。

現在、仕事はあるのに人手不足で受けることができず倒産してしまう、人手不足倒産が増加しつつあります。

倒産までいかなくても、「もう少し人がほしい」あるいは「若い人がなかなか入ってこない」と悩んでいる企業はたくさんあります。

ものづくり企業も、例外ではありません。


そういう企業にとっては、完全自動化を進めることで、より少ない人員でものづくりができるのはとても助かることでしょう。

特に最近は、従来のような単純な自動化に加え、AIやIoTを活用することでより柔軟にものづくりができるようになっています。

人のように学習し、判断することができるロボットを活用してものづくりをしよう、という動きも広がりつつあります。


とはいえ、自動化がどこまで進むかについてはまだまだ試行錯誤の時期にあるようです。

というのが、機械には「故障」がつきものだからです。


たとえば、埼玉県入間市にある安川電機の「安川ソリューションファクトリー」では、組み立て工程に産業用ロボットを導入し、完全自動化を実現しています。

ただし、工場内では、もしロボットが故障しても製造ラインを止めずにすむよう、作業員用のブースも用意されています。

万一のときには、人がロボットのピンチヒッターを務めるわけですね。


自動化はそれなりにコストがかかるので、中小規模のものづくり企業ではなかなか思い通りに導入できないことも多いでしょう。

しかし、人手不足がこれからどんどん進んでいく今、日本のものづくりを続けていくために、できる範囲で便利な機械を導入し、より少ない負担でものづくりをしていくことを考える時期なのかもしれません。


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