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水道管の種類と変遷

水道管の種類と変遷

2019年05月15日

厚生労働省が出した「平成29年度 現在給水人口と水道普及率」によると、日本の水道普及率は98%。

ほぼすべての人が、水道を使える状況になっていることがわかります。


この水道の配水に欠かせないものが、水道管です。

水道管と聞くと、金属、特に鉛を使っているというイメージを持っている人もいるかもしれません。

確かに、水道管には金属を使ったものも多くあります。

しかし最近では、ポリエチレンなどの樹脂を使った水道管も一部使われるようになってきました。

たとえば、基幹となる水道管にはダクタイル鋳鉄管、各家庭に給水する給水管は加工が容易なポリエチレン管、住宅内の給水(台所、洗面所、トイレ、お手洗いなど)には耐熱老化製が高い架橋ポリエチレン管……という感じです。


この水道管も一種の工業製品であるため、共通規格が存在しています。

我が国で最初に近代的な水道が作られたのは、1887年、明治時代ですね。

それまではみんな、井戸で水を汲んでいました。


この頃の水道管は、外国から輸入されたものでした。

したがって、その大きさは外国のメーカーに合わさざるを得ません。

明治の中頃には日本でも水道管を作るようになりましたが、このときの規格も外国のメーカーに合わせたものでした。


それが、大正、昭和と時代が下るにつれて、統一化されていきます。

現在の水道管の規格は、昭和2年に作られたもの。

古い時代に作られた規格が生きているものだと感心しますが、この規格を変えてしまうと老朽化した水道管の更新時にややこしいため、なかなか難しいのだそうです。

規格は昔のものが使われていますが、もちろん素材や水道管同士の継ぎ方はどんどん新しいものになっています。

たとえば最初に紹介したダクタイル鋳鉄管やポリエチレン管などは寿命が長く、100年ほど使えると言われています。


また、地震大国日本では、耐震性も重要です。

水道管は長い1本の管ではなく、一定の長さの管がたくさんつながったものです。

したがって、地震で揺れて継ぎ目が外れたら大変です。

地面の中に埋まっているから簡単に復旧もできません。


そこで、水道管の更新時には水道管の素材はもちろん、継ぎ方もより地震に強いものに更新しているというわけです。

蛇口をひねると水が出てくることは、私たちにとってごく当たり前の光景です。

しかし、その水を届ける水道管にも、たくさんの工夫が詰まっています。

そして、こういう水道管を作るのもまた、私たちものづくり企業なのです。


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