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鋼を使ったものづくりに必要な「焼入れ」加工とその種類(前編)

鋼を使ったものづくりに必要な「焼入れ」加工とその種類(前編)

2018年10月12日

金属加工の方法のひとつに、金属を赤くなるまで熱し(これを「赤める」と呼びます)、そのあと急速に冷やす「熱処理」があります。

金属は一定以上の温度に加熱されると組織が柔らかくなり、その後急速に冷やすと組織が硬化するという性質があります。

この性質を利用して、一旦赤めて急速に覚ますことで、金属をより硬いものに変化させるのです。

一旦焼入れをした金属は、硬さが増すと同時にもろくなります。

そのため、焼入れのあとは最後加熱し冷却するという「焼戻し」の作業が必要です。

「焼戻し」の際の温度は、焼入れほど高くする必要はありません。

金属組織が変化しない程度の熱にとどめます。

熱処理には、さまざまな方法があります。

代表的な方法を以下に挙げます。

1.全体焼入れ(ズブ焼入れ)

加工するものの全体を加熱し、水や油で急速に冷やす方法です。

質量が大きいものほど冷却が遅くなるので、大きさや形状によっては表面の硬さが出にくい場合もあります。

2.浸炭焼入れ

鋼の表面に炭素をしみこませ(浸炭)てから焼入れを行います。

炭素量が多い表面は固く、炭素量が低い内部は柔らかい、つまり固くてしなやかな状態に加工することができます。

炭素量の少ない鋼に行うことが多い加工です。

3.真空焼入れ

真空状態を作り出せる真空炉を使って行う焼入れです。

真空状態で製品を加熱したのち、窒素ガスを使ったファン冷却もしくは油冷却を行います。

真空状態での加工であるため、製品の表明が酸化しないなどのメリットがあります。

次回は、真空浸炭焼入れ、窒化焼入れ、高周波焼入れ、ソルト焼入れをご紹介します。

ものづくりメソッド:焼入れ(表面処理)

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