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ものづくりに欠かせない「熱処理」とはー前編

ものづくりに欠かせない「熱処理」とはー前編

2018年08月03日

「熱処理」というものづくりの過程があります。

これは、鋼などの金属材料を一度加熱し、それから冷却することを意味します。

熱処理を行うことで、金属の硬度を上げるなどすることができます。

熱処理には、いくつかの方法があります。今回は、その代表的なものをいくつかご紹介しましょう。


・焼入れ

金属を一度高温にまで熱し、そのあと急速に冷やす方法です。

焼入れを行うことで、金属全体を硬化させることができます。

なお、どれくらい硬度が上がるかは、その金属の中に含まれる炭素量や合金元素によって決まります。

焼入れによる変化の度合いが高いことを「焼入れ性が高い」といいます。

焼入れにはさまざまな種類があります。

なかでも、ものづくりの場で特によく使われるものに「高周波焼入れ」と「真空焼入れ」があります。

高周波焼入れとは、高周波誘導電流を使い、鋼の表面だけに焼入れを行う方法です。

ひとつの部品のさらに一部分にだけ焼入れをしたいときにも使われます。

この方法で焼入れを行うと、表面だけが硬化し内部は柔らかいままという状態になります。

その結果、ねじり強度やねじり疲労強度が高くなります。歯車やシャフトなどを作るときに使われる方法です。

真空焼入れは、真空炉、つまり酸素がない状態で焼入れを行う方法です。

この方法の最大の特徴は、酸素がないところで行うため、製品の表面が酸化しないことにあります。

そのため、製品表面をきれいに保ったまま焼入れをすることができます。

特に酸化しやすいクロムを含む素材の熱処理に適した方法です。

次回も、焼戻し・焼きなまし・焼きならしという代表的な熱処理の方法についてお話しします。

ものづくりメソッド:表面処理

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