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金属の熱処理の話

金属の熱処理の話

2018年06月20日

金属の表面処理の方法の一つとして、熱処理があります。

熱処理は、例えるなら金属を料理するようなもので、金属材料を加熱したり冷却したりして、目的の性質に変化させることができます。

金属の変化は、強さを増す、硬くする、耐摩耗性を高める、耐衝撃性を高める、ばね性を高めるなど、製品の用途、機能によってさまざまです。

そのため金属の材質と達成したい目的の性質により、適切な熱処理方法を選択する必要があります。

今回、表面熱処理のひとつ「浸炭」の工程を見学してきました。

S45C、SCM415など「ギルド鋼」といわれる鉄鋼系の材料を炉で熱したあと、ブタンを充満させた窯の中で、気体中の炭素を金属に浸み込ませるのだそうです。

その後適切な冷やし方をすると、金属の表面を加工前の倍以上の硬度に上げることができます。

逆に冷やし方を間違えると、金属が脆くなってしまうそうで、ノウハウが必要な難しい加工だと思います。

浸炭以外の熱処理方法との使い分けもいろいろと奥が深そうですが、正しく使いこなせば製品の機能、価値を上げる武器になりそうです。

熱処理の知識を身につけて、普段のものづくりに活かしていきたいですね。

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