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ポイントをおさえれば、チタン溶接は難しくない!~前編~
2018年05月12日
チタンの溶接は難しい。一般的にこう言われることが多いのですが、条件を整えることさえできれば、けっしてチタン溶接は難しいものではありません。
もともと、チタンは溶接に向いた性質を持っています。
たとえば、チタンは熱伝導率が低いため、溶接部分の熱はなかなか逃げません。つまり、溶接部分だけが熱くなるため溶接作業そのものは比較的簡単に行うことができます。また、チタンは熱膨張率が低いため、溶接時の高温やその後の冷却による歪みが生じにくいという特徴もあります。
では、このような性質を持っているにもかかわらず、なぜチタン溶接は難しいと言われているのでしょうか。それは、チタンの性質に由来します。
チタンには、窒素や酸素、水素などのガスと親和性が高い、つまり反応しやすいという性質があります。特に溶接時のような高温環境下では、この性質はより強くなります。そして窒素や酸素、そして水素はどれも空気中に含まれる元素です。
普通の環境下でチタンを溶接すると、高温になる溶接部分は空気中の窒素や酸素、水素と反応しやすくなります。反応した結果、溶接部のチタンは脆くなってしまいます。
これが、チタン溶接が難しいと言われる理由です。
では、一体どうすればチタンの溶接をより容易にすることができるのでしょうか。ポイントとなるのは「コンタミネーション」つまり溶接時の大気(窒素・酸素など)を始めとする異物との接触・汚染の対策です。
次回は、コンタミネーション対策として使われる方法を2つ紹介します。