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チタンの酸化

チタンの酸化

2018年03月09日

チタンの酸化

チタンの特徴のひとつに、高い耐食性が挙げられます。

この理由は、チタンの表面が酸化皮膜という薄い膜に覆われていることにあります。

酸化皮膜は、チタンが酸化、つまり空気中の酸素と結合した結果つくられます。

酸化ということはつまりサビができているのではないか、と思う人もいるかもしれません。

確かに、サビは鉄などが発生した結果発生するものです。

では、鉄のサビとチタンの酸化皮膜はどう違うのでしょうか。


その違いは、ひとことで言うと「酸化した層の脆さ・粗さ」です。

金属(鉄・チタン)が空気と接触し、酸化する。ここまでは、サビも酸化皮膜も同じです。

しかし、サビは粗くまた脆いので、すぐに剥がれ落ちたり、あるいはすき間から内部に空気(酸素)が侵入したりします。

その結果、鉄はどんどん酸素と接触し、酸化し、腐食していきます。


一方、酸化皮膜は、しっかり丈夫なものです。

そのため、剥がれたり、すき間から酸素が入ったりすることはほとんどありません。

もし剥がれたとしてもすぐに新しい酸化被膜が形成されます。

その結果、チタンは酸素(空気)と接触することがほとんどなく、腐食からも守られるということになります。

ところで、この酸化皮膜にはチタンの保護のほか、もうひとつ役割があります。

それが「チタンの色を変える」ことです。


チタンというと、多くの人が銀色のものを想像するでしょう。

しかし中には、発色チタンと呼ばれる美しい色がついたものがあります。

この色は、チタンをさらに人工的に酸化させ、酸化皮膜の層を調節することでできるものです。

私たちは、ものに当たった光の反射で色を認識しています。

光にはさまざまな色が含まれています。

簡単に言うと、青い光を反射するものは青く、赤い光を反射するものは赤く、

すべての光を均等に反射するものは白く、すべての光を吸収するものは黒く見えるというわけですね。


チタンの色には、酸化皮膜の表面で反射した光と、酸化皮膜を通り抜けてチタン本体で反射した光が混じっています。

酸化皮膜を通り抜ける光は、その層の厚さによって変わります。

そのため、酸化皮膜の厚さを変えれば、チタンの色も変わるということになります。

チタンを建材として使うときなど、そのままの銀色で使ってしまうと周辺の建材となじまないケースも出てきます。

また、アクセサリーに加工する際には、華やかな色をつける必要が出てくることもあります。

そんなときには、このように酸化皮膜の厚さを人工的に調節して、希望する色を出しているのです。

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