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ものづくりブログ
ものづくりマーケットプレイスの波
2017年12月23日
マーケットプレイスが促す工具屋さんの変化
オンライン書店のアマゾン……といっても、今やちょっと違和感がありますね。もともと確かにアマゾンはオンライン書店でしたが、
今や書店の枠を超えたジャンルの商品を扱っていて、もはやショッピングモールと言ってもいいのでは、という気がします。
そんなアマゾンで、「Amazon Business(アマゾン ビジネス)」というサービスが2017年9月にスタートしています。
Amazon Businessでは、Amazonではなく、Amazonに出店できるマーケットプレイスという仕組みを使い、さまざまな事業者が
法人・個人事業主向けの商品を出しています。その商品の中には、オフィス用品はもちろんですが、工場や建築・建設現場向けの
工具や部品類もあるようです。
Amazon Businessでは、大量購入を前提とした価格設定を行い、見積書の作成や、月末締めの一括請求書払いなど、事業者が物品を
購入する上であってほしいと思っているサービスももちろん用意。品揃えも豊富で、買う側としては非常に便利そうだなというのが第一印象です。
ところが、売る側に視点を変えると、Amazon Businessはとても恐ろしいサービスでもあります。
町の一般的な工具屋さんは、現在、すでにかなりの数の個人顧客をホームセンターやオンラインショップなどに取られています。
ちょっとDIYをする必要に迫られたときは、まず近くのホームセンターに行ってモノを確かめ、それからより安く買えないか
インターネットで検索する、というのはもはや当たり前と言っていいでしょう。ちなみに、個人向けの工具もアマゾンマーケットプレイスを
使えばとても手頃な価格で見つけることができます。
そんな工具屋さんにとって、ここで言うまでもありませんが、モーターやエアー機器など市販部品やメカニカル部品、電気・配線機器、
あるいは工作機械などの代理販売を行う。これがビジネスの根幹になっているわけです。
しかし、Amazon Businessのような仕組みができてしまうと、このビジネスモデルも大きな波にさらわれてしまう可能性があるでしょう。
消費者の便利の影には、悩んでいる小売あり。これはなにもものづくりに限った話ではありません。
しかし、ものづくりの場にもこういう波がやってくると、とても複雑な気持ちになってしまいます。
こんな変化の中、町の工具屋さんはこれから生き残るためにどうすればいいのか。試行錯誤の時期はもう始まっています。
圧倒的な品揃えのアマゾンマーケットプレイスに品揃えや価格で対抗するのは難しいかもしれませんが、
なんとかいい方法が見つかることを願っています。