ものづくりブログ
マグネシウム

マグネシウム

2016年08月22日

マグネシウム
昔、マグネシウムは燃やすと閃光を放つのでカメラ撮影のフラッシュに使われていました。花火にも使われています。
マグネシウムに塩酸を加えて水素を発生させる理科の実験でもおなじみです。

マグネシウムは軽くて丈夫な金属です。比重に対する強度が一番強い金属です。小型化や軽量化を求められる構造物に適しています。コスト面はアルミよりも高額になります。
マグネシウムは熱しやすくて冷めやすい金属です。放熱性がよく、電磁波シールドの効果も高いのでパソコンや携帯電話に使われています。
マグネシウムは合金として加工材料に使われています。切削性は良好な金属で寸法経度が高く仕上げられます。

合金の種類
AM系 アルミニウムの合金
AZ系 アルミニウムと亜鉛の合金(よく使われる合金)
ZK系 亜鉛とジルコニウムの合金
ZC系 銅と亜鉛の合金
EZ系 希土類元素とジルコニウムの合金
QE系 ジルコニウムと希土類元素と銀の合金
WE系 イットリウムと希土類元素の合金
AS系 アルミニウムとシリコンの合金
AE系 アルミニウムと希土類元素の合金
M系 マンガンの合金

アルミニウムは強度が向上するが耐衝撃性が低下する。鋳造性、耐食性も向上する。マンガンは耐食性が向上する。シリコンは耐クリープ性が向上する。亜鉛は耐食性、強度の改善。2%以内の含有率で鋳造性がよくなる。銅は機械的性能の改善で強度アップ。銀は耐熱強度がアップする。ジルコニウムやトリウム、イットリウムは結晶粒を微細化して機械的な性能がアップする。他の希土類元素を加えるのも機械的性能を高める目的です。
不純物として鉄、ニッケル、クロム、銅などは耐食性を低下させる。

マグネシウムは減衰能が高く、振動を吸収する性質を持ち、繰り返し運動に強い特徴があります。
電子機器、精密機器、光学機器の部品や筐体に使われる。

マグネシウム合金は溶接も可能です。

基本的にマグネシウムは酸化されやすいので防食処理をする必要があります。
切削加工や研削加工時に発生する切子や細かな金属粉になると激しく酸化して粉塵爆発や火災の原因になるので注意が必要です。いったん燃えると水をかけると逆に激しく燃えることになります。

ものづくりは簡単なようで難しく、ものの性質をよく知っていないと作れません。コストも考えに入れておかないといいものでも高すぎて誰も買ってくれないものになります。
マグネシウムは身体にも必要な元素で身近な金属材料です。

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