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どこがすごいのでしょうか。
2016年08月17日
Yahooニュース(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160806-00010007-newswitch-ind)
「新日鉄住金の独自の3次元熱間曲げ加工。細さと強度、複雑な形状にも対応」
角形鋼管を自在に曲げてホンダの新型「NSX」の車体骨格部品に採用されたという記事です。
どこがすごいのでしょうか。
記事には「鋼管ならではの細さと強度の両立、および複雑な形状にも加工できる利点」とあります。
「ふ~~ん」って感じですね。
「3次元熱間曲げ加工」技術で鋼管が車体骨格部品に採用されたのは世界初だそうです。
自動車業界では軽量化と強度を兼ね備え、安全性能向上させることを追求しています。運転時の視野の広さも安全性能につながります。この記事ではこの技術で作られた鋼管がフロントピラーに採用されたそうです。フロントピラーとはフロントガラスの横の柱のことです。読者の皆さんも運転されたときに一度は感じたことがあると思います。太いフロントピラーって視界を遮ることがあるなぁって。
この記事には専門用語が並んでいて難しいです。
では、どこがすごいのでしょうか。
角形鋼管を作ることも、高周波焼入技術も、3次元熱間曲げ加工も目新しいものではないです。
すごいのは、量産化技術を確立されたこと(まだまだ、コストは高いでしょうが…)と、もっとすごいのは鋼管の素材だと思います。
この鋼管の材料はmade in Japanです。鋼管は鉄ですが、強度や加工性を得るために他の金属、炭素、ケイ素などの含有量を微妙に調整し、どこを切っても同じ品質が得られる鋼管を作ったところだと思います。
高温で溶かした重い鉄に必要な物質を加え、しかも長い鋼管のどこを切っても同じ品質であり、それを何本も作る技術がすごい。
この技術は門外不出だそうです。
金属材料工学技術と職人の技および科学技術(多軸ロボット)の融合が生み出した鋼管ですね。