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ものづくりブログ
ものづくりのまち
2017年11月05日
ものづくりのまち、それぞれの個性
「ものづくりのまち」と聞くと、みなさんはどこを思い浮かべるでしょうか。
関西の方なら、おそらく中小企業の工場が集中している大阪府東大阪市を思い浮かべることでしょう。このほかにも、同じく町工場が集中する
東京都大田区、金物や刃物で有名な新潟県三条市(燕三条)や岐阜県の関市、大きなコンビナートを抱える岡山県の水島や福岡県北九州市、
焼き物の町である愛知県の瀬戸市など、さまざまな地域が挙げられることでしょう。もちろん、ものづくり市場がある京都市も、
伝統産業を中心としたものづくりの町のひとつです。
これらのものづくりの町には、ある共通点があります。それは「この地域のものづくりの特色はこれだ」と、特徴がはっきりしていることです。
特徴がはっきりしているということは、その地域の強みや伝統を活かしていることを意味しています。同じ金物・刃物のものづくりが
盛んな町、燕三条と関を例に挙げてみましょう。
燕三条の金物・刃物づくりは、江戸時代初期に和釘作りを行う鍛冶職人が多くやってきたことがきっかけでさかんになりました。
それから鋸や鉈などの作り方が伝わり、農機具などを中心にさかんに刃物が作られるようになったという歴史があります。
また、元禄年間には燕に銅の精錬所が設置され、銅を使ったものづくりがスタート。この流れが明治維新後には、ステンレス銅の加工へと
つながり、今に至っています。
こういった歴史があるため、燕三条は、包丁などの刃物だけでなく、カトラリーなどのステンレス食器もとても有名です。
一方、関の刃物づくりは室町時代に刀鍛冶がこの地に移住してきたことから始まります。刀を打つときには、火をおこす炭や良質の水、
それから焼入れを行うときに刀に塗って刀の反りや刃文をつける焼刃土などが必要なのですが、関にはそのすべてが揃っていました。
そのため関は刀作りに最適な土地のひとつとして知られるようになり、最盛期には300人ほどの刀工がいたそうです。
こういった歴史から、関では今でも、包丁やハサミなどの身近な刃物だけでなく日本刀も多く生産されているのです。
ものづくりのまちとひとことで言ってしまうのは、とても簡単なことです。しかし、こうやってひとつひとつの町の歴史を見ていくと、
「なるほど、だからこの町ではこのものづくりが盛んなのだな」と納得できることか多くあります。
こういったそれぞれの町の歴史や気候風土を大切にしたものづくりが、これからもどんどん続き、よりよいものが生まれ続けていくことを
願わずにはいられません。同時に、私たち「ものづくり市場」が、それぞれの地域の特色を活かしたものづくりが続いていくために
何ができるのかについても、考えずにはいられません。