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ものづくりブログ
スマートアグリの流れ
2017年10月30日
スマートアグリ~スマート化の流れはものづくりから農業へ
「スマート◯◯」という言葉が増えています。「スマート」というのはこの場合「IT化された」「高度な情報処理機能がついた」と
いった意味だと考えるといいでしょう。代表的なものに「スマートフォン」が挙げられますね。また、ものづくりの世界でも、
工場の機器などをインターネットに繋いでものづくりを行う「スマートファクトリー」が注目を浴びています。
スマート化の波は、一見ITとは関係がなさそうな分野にも広がっています。その中のひとつに「スマートアグリ」、つまりITを
活用した農業が挙げられるでしょう。
それにしても、天候や人力に左右されることが多そうな農業に、ITをどう活用するのでしょうか。
作物の育て方は、大きく露地栽培とハウス栽培にわけることができます。露地栽培というのは従来の、いわゆる畑で育てる方法。
ハウス栽培は、ビニールハウスなどを使って育てる方法です。最近はさらに、作物によっては野菜工場とも呼ぶべき建物の中で
育てられるものも出てきていますね。
ITが特に活用できるのは、ハウス栽培や工場栽培です。これらの方法で野菜を育てるときには、ビニールハウスや工場の中の環境を
その作物に合った最適な状態に保たなければいけません。このときに、IT技術が役に立つというわけです。
たとえば、ものづくり市場のパートナー企業のひとつに、オーガニックnicoさんという野菜栽培事業を行っている会社があります。
この会社では、野菜栽培事業者として土や水にこだわるのはもちろんのこと、野菜を栽培するハウス内の環境を、独自のシステムを
使ってモニタリングし、必要に応じてコントロールしています。ハウスのコントロールパネルはもちろん、インターネットに接続して
スマートフォンやタブレット端末でも操作できるので、遠隔力でも操作することが可能です。
野菜づくりというと、私たちはつい「長年の経験を積まないと美味しいものは作れない」と思いがちです。しかし、ITを活用して
適切な環境制御を行うことで、経験が浅くとも職人が作ったもののように美味しい野菜を作ることができるように最近はなってきているのですね。
たとえば、アグリカルチャーの先進国オランダでは、農業従事者がほとんどハウスに出ることなく、オフィスでPCの画面に表示される数値を
見ながらハウス内の環境をコントロールし作物を育て、収穫もオフィスからハウス内のロボットを操作して行う、なんてことも多いそうです。
日本でも、農林水産省がスマートアグリを「ロボット技術やICTを活用して超省力・高品質生産を実現する新たな農業」と定義し、
その実現に向けた研究会を立ち上げています。スマート化が日本の農業をどう変えていくのかに注目し、私たちものづくりの企業も
関わっていければと考えています。