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ものづくりブログ
2種類のイノベーション
2017年08月22日
2種類のイノベーションを組み合わせたものづくりを
「ものづくりには、イノベーションが必要だ!」という人は多くいます。ところが、この「イノベーション」には大きく
「破壊的イノベーション」と「持続的イノベーション」の2種類があることを知っている人はあまりいません。
破壊的イノベーションというのは、それまでの製品のありようや価値観などをガラリと変えてしまうような、
劇的なイノベーションのことです。たとえば、蒸気機関の発明がそうです。蒸気機関が発明されたことで、それまでの
ものづくりを始めとする産業はもちろん、移動手段も、社会も、ガラリと変わったことは、世界史を学んだことがある人なら
よく知っていることでしょう。
一方、持続的イノベーションというのは破壊的イノベーションの対義語で、既存のものを顧客や社会のニーズに合わせて
少しずつ変えていった結果発生するイノベーションです。たとえば、製品のアップデートなどがこれにあたるでしょう。
日本のものづくりは、概して後者の持続型イノベーションが得意な企業が多いように思います。コツコツ、コツコツ改善や
改良を重ねていくタイプですね。これは日本企業の強みであるのですが、同時に、破壊的イノベーションが起きにくいという欠点があります。
典型的な例が、携帯電話・スマートフォン市場でしょう。日本メーカーがフィーチャーフォン(いわゆるガラケー)の機能を
どんどん持続型イノベーションで充実させていった一方で、アメリカではアップル社がiPhoneという破壊型イノベーションの
製品を作りました。
それが市場に投入された結果どうなったかは、もうみなさんご存知のとおり。最近は格安スマートフォンも多く発売され
国産メーカーもかなり頑張っていますが、一時期は「スマートフォンと言えばiPhone」と言っていいのではと思うくらい、
多くの人がiPhoneを使っていました。
現在の日本のものづくり企業の課題のひとつは、いかに破壊型イノベーションを起こせるかにかかっているのではないでしょうか。
とはいえ、急に市場や製品のあり方などをひっくり返すような発想の転換を行うことは、簡単なことではありません。そこで私が考えているのが、
こつこつとした持続型イノベーションに、ベンチャーなどの知恵や発想を取り入れて破壊型イノベーションを起こすことです。
ベンチャー企業にはアイデアはあるけれども、そのアイデアを実現するための資金や場所が十分確保できるとは限りません。
一方、企業は持続型イノベーションを繰り返してきたことでノウハウや技術はあるけれども、商品開発における発想が固定化してしまいがち。
そこで、お互い足りないところを補い合い、企業が行ってきた持続型イノベーションにベンチャーのアイデアを加えて
破壊型イノベーションを起こす。
このようなことができれば、日本のものづくりはもっとよくなるのではないでしょうか。