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航空機部品に使われる金属材料
2017年07月29日
航空機部品に使われる金属材料の話
国産の次世代ジェット旅客機MRJのニュースが連日報道されるなど、日本でも航空機産業の発展への期待が高まっています。
それもそのはず、今後25年間で航空旅客輸送は2016年比2.5倍の需要の増加が見込まれており、
運航コストを抑えられる新型ジェット旅客機が、今後20年間で3万機が製造される見込みだそうです。
この3万機というのは、旅客の伸びに伴う新規需要に加えて、燃費の悪い既存機を新型機に更新する需要を合わせての予測とのことです。
さて、ジェット機は空を飛びますので、機体の軽量化と、それに伴う強度の維持が当然求められます。
そのため機体を構成する部品には、主に「軽くて強い」性質を持った先端素材が採用されています。
現在、ジェット機の部品によく使われる素材は4つのジャンルに分けられます。
1.高強度アルミ合金……機体などに使用
2.チタン合金……シャフト等に使用
3.複合材……胴体等に使用
4.超耐熱合金……ジェットエンジン等に使用
これらの素材は得てして加工が難しく、「難加工材」「難削材」と呼ばれています。そこで航空機部品の製造では、
これら難削材をいかに正確に、効率よく、高精度で加工するか、ということが課題となります。
例えばチタン合金では、熱伝導率が低い、工具の材料とくっつきやすいなどの特性があります。超耐熱合金では、
硬度が高い、加工硬化が生まれやすいなどの特性があります。このように素材ごとに違う材料特性に上手く対応していくには、
適切な工具やクーラント(切削油)を選定し、新しい加工技術を取り入れるなどの努力が必要になります。
まだまだ課題は多そうですが、航空機部品の加工は需要の伸びに伴って大いに拡がりそうな分野です。
今後の展開に期待したいと思います。以上、「ものレポ」リポーター新開でした。