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ものづくりブログ
ものづくり 基本設計
2017年06月26日
海外でものづくりをする時代だからこそ日本仕様の基本設計が重要
何かものを作るときは、どんな構造のものをどんな大きさで作るかという設計が必要です。設計というのは
さらに細かく3つの段階に分けることができます。
まずは「何をつくるか」という「概念設計」、「どんな構造の、どんな形のものを作るか」を考える「基本設計」、そして
「どんな素材・大きさのものを使って作るか」を考える「構造設計」です。
中でも、どんな構造の、どんな形のものを作るかを考える基本設計はとても重要です。ものづくりも国際化しており、
スマートフォンひとつとっても、日本版と海外版とでは仕様が違います。ですから、販売する国の事情を考えて設計しなくては、
せっかくモノができたのに市場に出せないということにもなりかねません。
最近、中国などアジア各国で企画・設計・試作したものを、日本向けに生産するため日本仕様に基本設計しなおしてほしい、
という要望を受けることがあります。私たちは国内でものづくりをしていきたいと思っているため、ちょっと複雑な気持ちになることもありますが、
そうは言っていられません。どこで生産されたものであれ、日本でものが売れなければ、日本のものづくりも元気にならないからです。
最近は、国内EMS(電子機器受託生産サービス)企業の活躍により、日本の老舗ブランドが海外生産で復活するというケースも出てきました。
たとえば、2017年6月に発表された、国内オーディオブランドの「aiwa」復活のニュースが象徴的でしょう。
aiwaはかつて、ソニーが持っていたオーディオブランドの名前でした。オーディオファンの方であれば、aiwaブランドのステレオなどを
持っていた人もいることでしょう。aiwaブランドの生産は2008年には終了してしまったのですが、このたび、このブランド名の使用権を
秋田県にあるEMS企業が取得。その子会社で新たにaiwaブランドのオーディオ機器を生産することになりました。
機器の生産は、当面は中国の協力工場で行いますが、販売が軌道にのれば、国内工場での生産も視野に入れるそうです。
国内のものづくり復活のためにも、ぜひ軌道に乗ってほしいと思うニュースです。
海外でものを生産するということは、それだけ見ると日本のものづくりの空洞化につながると思う人もいるかもしれません。
しかしaiwaの例のように、長い目でみると日本のものづくりにもプラスになる可能性を秘めているケースもあります。
それを考えると、日本向けに基本設計をしてほしいという依頼も、大切に対応していかなければいけない依頼のひとつなのです。