ものづくりブログ
京都式ものづくり

京都式ものづくり

2017年05月21日

新しいものを積極的に取り入れる京都式経営を、ものづくりにも!

京都と聞くと、地方の方は「伝統」「保守的」「観光地」といったイメージを抱きがちのようです。確かに、京都には古い伝統を大切に守っている人が多くいます。日本のみならず、世界的に見ても屈指の観光地で、観光産業にも力をいれているように思えることでしょう。

しかし、京都には、新しいものを積極的に取り入れていくという一面もあります。たとえば、日本で初めて事業の発電所ができたのは、京都です。また、その発電所で作った電気を使い日本で初めて電車、つまり電気を使った鉄道が走ったのも、京都です。

ちなみにこの発電所は桜で有名な蹴上のインクラインの近くにあるのですが、今でも現役で稼働しています。観光客の方はだいたい素通りされることが多いのですが、レンガづくりのレトロな建物なのでぜひ、注目していただいたいと思っています。

これらの日本初が生まれた背景には、東京奠都が行われ、京都から活力が失われつつあったという時代の影響がありました。このままでは京都が寂れてしまう、そうならないためにはどうすればいいか。これを真剣に考えた結果、京都の人はどんどん新しいものを取り入れ、街に活力を取り戻そうとしたのです。

このように、新しいものを積極的に取り入れて活力を得ていこうという京都人の気質は、現代のものづくりにも受け継がれています。

京都にある、有名なメーカーを挙げていきましょう。たとえば、半導体のローム株式会社。精密機械などを作っている株式会社島津製作所。電子機器やスマートフォンなどで有名な京セラ株式会社、世界のモーターメーカー日本電産‎株式会社。電子機器・ヘルスケア機器のオムロン株式会社。そして、ゲームの任天堂株式会社。それから、下着メーカーのワコール株式会社。

これらの京都のメーカーは、けっして保守的ではありません。もちろん、自社の伝統は大切にします。しかし同時に、時には思い切って新しいものを取り入れ、積極的に挑戦をして活力を生み出し続けてきました。古都にあるからこそ、古いものを大切に守っているだけではいけないのだということを経営陣も社員も実感しているのでしょう。

新しいものを積極的に取り入れ、古くからあるものを活性化させる。このような京都式の経営は、ものづくり企業にぴったり。日本全国のものづくり企業がこのように考えるようになれば、日本の産業の底力はより上がっていくのではないでしょうか。今こそ、この京都式の経営がもっと日本中に広まってほしいと心から願っています。

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