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ものづくりブログ
メッキのお話 ②
2017年04月29日
[ものレポ vol.5]
2017年4月5日(水)~7日(金)に東京ビッグサイトで開催された「Photonix 2017 第17回 光・レーザー技術展」の取材の中から、
クローズアップしたいものづくり技術を取り上げています。
さて、前回は近年メッキにも技術革新が起きており、さまざまなプラスアルファの機能を持ったメッキも広がってきている、
というお話をしました。気になる機能性メッキについて、いくつかご紹介したいと思います。
[ノンピンホールメッキ]
一般的な無電解ニッケルメッキには微小なピンホールが存在します。しかし用途によっては、ミクロン単位のピンホールすら
許されない精度を必要とする場合があります。そんなときに採用したいのが、金属皮膜研究所の「ノンピンホールメッキ」です。
この「ノンピンホールメッキ」は独自技術により、微小なピンホールを極限までなくしためっき皮膜で、
無電解ニッケルメッキが苦手としているシャープエッジ部や角部のメッキのダレも最小限の膜厚差に抑えることができます。
精密レンズの金型や、導光板用の金型、フィルム製造設備など、ミクロンレベルの突起や穴が許されない用途で
大きなメリットが出ます。形状や膜厚までコントロールできるという凄い技術です。
[フッ素樹脂含有無電解ニッケルメッキ]
これはメッキにサブミクロンのフッ素粒子を無電解メッキの中に分散させて皮膜をつくる複合皮膜のメッキです。
フライパンのテフロン加工のように、金属の表面に「滑る、はじく、くっつかない」という機能を与えることができます。
耐摩耗性、摺動性、撥水性に優れており、機能が長持ちするのも特徴です。金型に使えば離型剤の代わりになり、
離型の手間や離型剤の材料費を節約することができます。さらに「滑る」という特徴から、シャフトやシリンダーなどの摺動部品、
バルブやポンプなどの潤滑性を必要とする部品などにも最適な表面処理といえます。
[黒色無電解ニッケルメッキ「ecoブラック」]
レーザー機器や光学系装置など、光の反射が許されない部分のメッキに最適なのが黒色無電解ニッケルメッキ「ecoブラック」です。
下の写真は失敗してなぜかグレーになってしまいましたが、実物はかっこいい黒(ピアノブラック)でした。
このメッキはRoHS指令にも対応した環境にやさしい黒いメッキなので、黒アルマイトや黒クロムの代替としても用途が広がります。
さらに用途によって、ピアノブラック、素材のまま、つや消しと状態も選べます。お願いすればこんな塗り分けも可能。
メッキを施しても、吸着穴のピンホールはしっかり残っています。
用途により適切なメッキを選定することで、コストダウンや工程削減にもつなげることができそうです。
機能性メッキの世界、まだまだ奥が深そうですね。
以上、「ものレポ」リポーター新開でした。
【取材協力】
株式会社金属皮膜研究所
http://www.kinzokuh.co.jp/
高品質な表面処理を短納期で日本全国に届けている東京都品川区のめっき会社。昭和30年の創業以来めっき加工一筋で、
機械、電気、物理、金属などの技術を駆使してあらゆるめっきにチャレンジしている。